フィリピンでの、なんてことない朝のこと。
気持ちがよさそうにそよぐ葉があるものね。
敷地内にあるのに今日初めてその木に気付いたのは多分
うちの犬がその木の根元の芝で立ち止まったからだし
薄手のパーカーの裾がはたはた揺れるくらいには風が吹いていたからだし
近くにたくさんのオジギソウが茂っているから「これもオジギソウの仲間かなあ」なんて思ってその葉を見ていたからだ
触ってみようと伸ばした指先を、するりと逃げるよに遊ぶよになでては上へ下へとうなずく葉の、その
ゆったりした動きに
やっと風を感じた
そしてその葉が
その風にふあふあと羽のようにたゆたうのを
優雅だと感じて思わず笑みがこぼれるのでした。