今わたしは日本に帰国している。帰国についてはのちのち書こう。
2月に送った手紙。
日本郵便によれば、フィリピン、中国、ロシア宛ての郵便が紛失することはしばしばあるそうで。
フィリピン含む東南アジアにいたっては、
郵便局員が家まで届けずに、目的地の近所の塀の上に置いていってしまったとか
置いて行った後近所の別の住民が持って行ってしまって紛失したとかざるにあるのだと。
家まで届けなさいよ。
郵便局員さんがそう言うもんだから、てっきりもうわたしが出した手紙はあちらの国でなくなってしまったものなんだと思っていた。
彼氏に送った手紙も届かなければ、友人に送った手紙も届かない。
友人に送ったEMSもマニラでとまったまま。はぁ。
極めつけにわたしのYouTubeの動画には「去年自分が送った荷物がまだ届いていないから問い合わせ先をおしえて」というコメントも来る。
もう、フィリピンに行った荷物は届かないのだ。ああ残念。

手紙はもう届かないのだ。と諦めてもう忘れていたころ。
別れた彼氏の家に、ついに「付き合っていた頃に描いたわたしからの手紙」が届いてしまった。
なんだよそれタイムカプセルかよ。
そこにはペンで、着色なしの線画のフィリピンホークが描かれており、よくラフ画に走り書きするような字の日本語で気ままに書いたメッセージが並んでいて
「あなたが大好きなうららより」でしめくくられている。
下部には手描きのフィリピンホークを汚すことをためらわずに押されたフィリピン郵便局のデカデカとしたブルーのハンコがドカンと押されている。
そのハンコには日付が入っていて、一か月以上前にフィリピンに到着していたことが分かった。

手紙の内容はこう。フィリピンホークをでかく書いたので文字のスペースはちょっとだけになった。
「はじめての手紙です。
お付き合いがはじまってまだ3か月ですね!これからもよろしくね。
最近”My love”と”I love you”があまり聞こえませんが、こちら毎日いただきたいのでぜひください。」
とかふざけたことをぬかしておいて
自分はI love youを書いてないというツッコミ待ちな手紙は、それでも
彼女を愛したまま手放した元彼氏の胸を打ったようで、
彼はその手紙を手に、泣いてしまったのだった。
ちなみに、別れてからもそんなことを素直に伝えてくれる彼のそういうところは素敵だし、
彼や彼のママとの出会いに感謝してる。
キライになって別れてしまったら、その時の過去がなかったことになりかねない。
わたしたちはお互いの幸せを願えるうちに別れたので、きれいに思い出が保管された。
それは幸せなことだと思う。
今でも彼を思い出す時は笑顔になったり、ありがとうと思ったりする。
なぜ想いあって別れを選んだのかなんて詳しくは書かない。
生きてりゃ色々ある。さて、手紙の話に戻る。
手紙のコワイところは、書いた側が何を書いたか覚えていないところである。
そしてわたしは彼に、もう一通手紙を出したような出していないような気がしてならないのだ。
離れている間の自分なりの気遣いで、手紙がひと月に一枚届いたら楽しいよね、とか言って
毎月出そうと思っていたから、
もしかしたら追撃のように2通目が彼の元へ来るかもしれない。
そしてまたその手紙は彼を泣かすのかもしれない。
手紙は当時の時間を運んでくる。
時が移ろってもそこに「過去に存在していた事象の証明」みたいなものがやってくるのは
なんだか面白い。
届くのに2か月も3か月もかかるのなら、なおさら手紙を出したくなる。
2-3か月前のことがやってきた時、現在の変わりようを実感するだろうから。
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うららさんの文章、まるで映画のワンシーンを覗き見しているようで、ぐいぐい引き込まれました。タイムカプセルのように届いた手紙、それだけでも感動的なのに、内容が「ツッコミ待ちのI love you不足要請」というのがもう…!笑って泣けました。
郵便事情に振り回されながらも、あの一通が元彼さんの心に届いたこと、そしてそれをきちんと「泣いた」と伝えてくれる彼…なんだかロマンチックで切なくて、読んでいて胸がキュッとしました。
「離れてもお互いの幸せを願える別れ」って、とても素敵ですね。私の小説ブログでもこんな時間を越えた思いを描いてみたくなりました📚✨
またうららさんの世界に遊びにきます。今後の展開、心待ちにしております!