Kが死んだ。
その知らせはSuunyと一緒にコンビニに寄った、何気ない時間に訪れた。
Sunnyはガールフレンドで、日本人。IT Parkで出会い、最近付き合いはじめた。
スマホの画面を凝視しうめくように思わず声に出す、Kが死んだと。
レジを待つSunnyは動揺している。
何も知らない店員がそれを見て少し笑う。
知らせと共に送られてきたビデオ通話のスクリーンショットには
むせびなくKの夫と
家族が写っていた。
色々なことがあった。
ショックに絶えず動揺を隠しきれない。
闘病の末彼女は…。
彼女はみなに愛されていた。いつも家族を気遣う優しい子だったから。みんなが悲しんでいるだろう…俺は見舞いに行かなかった。
悔しいのか悲しいのか、理不尽な死への怒りなのか、見舞いに行かなかった自分への自責か、なんともいえない暗い感情がぐねぐねと心臓を締め上げにかかる。
セブンイレブンの戸を開けSunnyを先に外へ出す。彼女は眉を八の字にして、マスクをしていても分かるほどに困った顔をして俺の目をじっと見ている。目が泳いでしまう。思わず大丈夫と口走る。
Philippineの墓。日本とは違い、遺体が棺桶のまま安置される。島国で土葬をする土地が限られている、焼却炉の建設技術等を考えるとこれが合理的な形なのかもしれない。