「奴らに気をつけろ」
そう言ってLTO Staffはわたしに一枚のメモを差し出した。
最初はなんのことかわからなかった。
書類の手続きのプロセスでも書いてくれたのだろうかと思ったがどうやらそうではないらしい。
「コイツらはCityHallのBadGuys。ブラックリストに載っている。奴らに気をつけろ」
とのことだ。
今日はLTO、-Land Transportation Officeの頭文字をとってLTO-に来ていた。
これまで、CebuのいくつかのLTOと呼ばれる場所に来たが、手続きがスムーズでわりと親切だと感じたのはここだ。
Land Transportation Office – DLRO-Robinsons Fuente Cebu
レビューが悪すぎてぎょっとしたが、ここはありがたいことに18:00まで営業しているので、
通常17:00カットオフの他のLTOよりも、仕事をしているわたしにはありがたいのである。
意外と親切で、BTS好きの女性と、おなかがぽこんと出た声のでかいおじさんが親切に対応してくれた。さすがにこのような場所ではあまりにも英語が聞き取れないとあきれ顔をされるので、公的手続きの際はあたたかいスタッフが居るところに意識して行くようにしている。いつも迷惑かけてごめんね。
なんの手続きかというと、仮ナンバープレートの発行手続きである。
ややこしいことに、わたしはバイクを購入し、名義変更の前にナンバープレートを道路におっことしてなくしたのである。
フィリピンでナンバープレートを落とした際の手続き
まずはCityHall-市役所-に行こう。
AFFIDAVIT OF LOSSという書類を作成する。
次にその書類を持ってLTOへ行き、Temporaly plate-臨時のナンバープレート-を発行してもらうという流れだ。
市役所へ行くときはBadGuysに気を付けよう。
ちなみにこちらで車やバイクを所有している人はもれなくLTMS Portal(クリックでサイトに飛べます)にドライバー登録をしていると思うが、こちらもLTOでの手続きに必要になってくるので、登録がまだの人はしておこう。
ちなみにわたしはACR-iカードがまだ発行されておらず、フィリピンのドライバーズライセンスが取得できない段階で登録したため、フィリピン人としての登録になっているw
LTOスタッフがフィリピン人で登録したらええでと言っていたので、もしライセンスの切り替えがまだなら都合よくフィリピン人になることで手続きがスムーズになると思う。
フィリピンでナンバープレートを紛失した
こんな記事には需要はないだろう。
自分のメモがわりに残しておこうと思う。
まず、ここPhilippinesでは本当に予期しないことが起きる。
日本の環境で蝶よ花よと生活してきたわたしたちは、油断するといろんなものを壊す。
「まさか冷蔵庫の冷凍コーナーのフタが壊れるとは」
「まさか食器の水切りが錆びるとは」
「」
まさか、まさかの連続である。
乱暴に使っても壊れないハイクオリティの中で生活している我々にとって
トラップだらけなのである。
そしてついにわたしのバイクにもそれが訪れた。
「まさかナンバープレートが落ちるとは」
こちらの道はでこぼこである。
でこぼこなのは正直どうでもいい。それを避けて走るのも、立ち乗りして衝撃を食らわないで走るのもまあ楽しいので特になんとも思っていなかった。
なんとも思っていなかったのはわたしだけで、バイクの方はしっかりこたえていたようだ。
ついにナンバープレートが落下し、わたしの元に戻ってくることはなかった。
走行中。
カシャァッ
と音が聞こえた気がした。一度振り返る。
でもわたしの鞄はチャックが閉まっているし、スマホはスマホホルダーにあるし、
水筒はバイクの小物入れにすっぽり入ったままだ。落とすものなんて何もないよな。ざっと持ち物を確認して安心する。
何かごみでも踏んだかな。
そう思い先を急いだ。
するとトラフィックで止まった際、うしろのAngkas(アンガス)ライダーがわたしに何かをさけんできた。
しきりにわたしのバイクを指さす。なんだ?はて?何も文句言われる筋合いはない。
イラッとしかけたその時、わたしが言われていることを理解していないのを察した別のライダーが
「Plate」と言うのでその時はじめて自分の身に何が起こったかを察したのである。
ドキッとしたついでに身をひねって指さされていた箇所をのぞきこむと、確かにない。
ナンバープレートがなくなっている。
さっきの金属音。あれはわたしのナンバープレートだったんだ!!
教えてくれたライダーへの礼もそこそこに、速攻Uターンをして来た道を戻った。
500mほどしか-これは体感だ-離れていないし、落とした箇所もなんとなくわかる。だれかに踏まれていませんように。
それくらいにしか思っていなかった。だって、落としたのも2分ほど前の話だ。
なくなるはずないとどこかで思っていたが、何度その道を通っても
ついにナンバープレートが見つかることはなかった。
フィリピン人彼氏が仕事終わりにバイクで来てくれて、わたしを後ろにのせて
聞き込み調査をしてくれた。
彼の流ちょうセブアノ語..つまりビサヤ語(母国語)のおかげでとてもスムーズに聞き取りは進む。わたしひとりならもっと時間がかかっていたと思うし、男性だらけで盛り上がる屋台に声をかけることもなかったと思う。わたしのトラブルに付き合っても彼には得することがないのに協力を惜しまない彼の姿勢が本当にありがたい。
目撃者が現れたが、彼はたしかにそこに落ちていたというが拾ってはおらず。
その場所にはもう何もなかった。ナンバープレートなんて欲しいヤツ居るのか…嫌だな。わたしのナンバーで悪いことをしませんように。
よく、タイラップ-と整備士は呼びがちだがつまり結束バンドのことである-でナンバープレートを固定しているバイクを見かける。その意味がなんとなく分かった気がした。
あれは生活の知恵なのか。
接着剤のついたロックナット、もしくは力強く締めるスプリングワッシャー、またはタイラップ。
これらがフィリピンの道行くライダーにとってベストなのかもしれない。普通のナットとボルトで締めるから、わたしのバイクのようにナンバープレートをおっことすのかもしれない。
道がでこぼこで振動を受けまくるフィリピンの道路らしいトラブルだと思った。
ちなみに、再発行したところでオリジナルナンバープレートが到着するのは6-7か月後だ。
再発行の途中でも、紛失の証明書があればバイクを売却することは可能だ。帰国売りの際も問題にはならないとのことだ。
わたしはその時Philippinesには居ないのではないだろうか。
泣きながら日本に帰国しているかもしれない。
わたしの彼氏と今後どうなるかは、まだわからないのでなんとも言えないが。
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