from sanboanのやまぐらしから。
年始、わたしたちはフィリピンセブ島の南端、サンボアンの山の中に居た。
山のふもとにあるささやかなマーケットには、鶏肉が売っていなかった。
なので、近所の人から生きたにわとりを買って、それは夕食どきにはおいしいお肉となってわたしたちのおなかを満たしたのだが、夕食の準備の際、息子はフィリピン人彼とともに外へ出る。
彼らはレモングラスやモリンガ(こちらではマルンガイと呼ばれる)を刈り取り、夕食に入れた。
それからというもの、モリンガを見分けられるようになった息子は、街ぐらしに帰ってきてからもどこからともなくモリンガを調達してくるようになった。
「夕食に使って」だそうだ。
息子が山から持って帰ってきたものが、すこし胸をあたたかくする。