ヘルス

【リハビリ入門】入力信号がいちばんの近道!

3歳の上肢麻痺1級、体幹1級

まったくの健常者から突然重度の身体障害となった息子と学んできたこと。

これからリハビリにはげむ方の参考になればと、知り得ることを綴っていきます。

このような方に、本記事をおすすめします
  • 神経麻痺による伝達不全がある
  • これからリハビリをはじめる
  • リハビリの目的を知りたい
  • 後天的に身体麻痺になった
  • 自宅でできることが知りたい
  • 自身の症状改善をしたい
  • 神経麻痺の方を助けたい

本記事を作成した理由

息子の急性弛緩性

ウイルスにより急性弛緩性脊髄炎となり、神経麻痺の後遺症を残しました。

内容は

  • 腕をうごかせない
  • 首がすわらない
  • 上肢(体幹)のぐらつき

どこまで治るかは不明と言われていますが、

1年程かけてじっくりリハビリに取り組めばどんどん動かせるようになるとのこと(実際目に見えてできることが増えていっている)で、リハビリセンターに通っています。

本題に入ります。
息子の担当はリハビリセンターの主任さん。

熱心な主任に話を聞けたので記憶に新しいうちに記事にします。

大きな流れがわかれば今後の自宅でのリハビリ方針も決まりやすいと思います。

必要とする方の目にとまり、なにかの気付きがあれば幸せと思い本記事を作成しました。

入力信号が重要なキー

入力信号が身体の機能を取り戻すうえで重要なカギです。

『リハビリに従事するスタッフも、ご家族も

出力を意識するあまり、入力してあげるのわすれがち』

と彼は言いました。

入力信号の概念

ここで言う入力信号とは「刺激を受け取る」ということです。

逆に、出力は実際に運動をする、体を動かすこととします。

とくに麻痺で体が動かない状態のときずっと動かしていないと

人間の脳はその部位の動かし方を忘れていきます。

意識とは別のところです。

リハビリの目的

リハビリはもともと備わっていた身体機能をとりもどすものです。

リハビリ=運動
ととらえ、実際に動きにくい箇所のトレーニングをしてしまいがちですが

足が動きにくいからと、ランニングマシンのようなもので足を使わせるとします。

(それが有効でないということではないのであしからず)

しかしそれは「運動させられている」という感覚であり脊髄の信号だけで成り立ってしまうのです。

脳が「ここに足を運ぶぞ」と積極的に指示している状態の運動ではありません。


リハビリの本来の目的というのは、ただ動かせるようになるというより

本人が以前のように思い向くまま身体を動かすことができるように。

という意味合いがあることを覚書きとして残します。


本質的に身体の機能を取り戻すためには入力(刺激)がともなった出力(運動)をすべきなのです。

入力をともなう出力の意識

こう書くと難しいことのようにみえますが、そうではなくて。

普段の生活にかくれていることです。

入たとえば床にボールが置いてあるとします。

それを認識した上で、蹴って遊びたい、と意識して足を蹴りだすような動作がそうです。

しかしこれが麻痺患者になると介護する側の者が、麻痺した身体を動かしてあげることになります。


うちの息子の場合だと左腕の麻痺が強いので、寝返りを打つ時に

腕をうしろにひねる格好になってしまうため、

麻痺している左腕を、麻痺の軽い右手に組ませてから寝返りを打たせます。


その時に、「腕をちゃんとささえるんだよ」と腕を持ってきて組ませてしまうと

脳は腕を「モノ」と認識します。

それは自分の腕ではなく「母に渡された何か」なんだと。


そして徐々に脳はその腕を忘れていきます。

脳の、腕を動かすコンピュータルームがなくなったとしたら…?

いくら指先や腕から入力信号が入ってきても、

その信号が帰る場所がありません。入力ができないので、出力もできません。


そのために、入力信号が帰る場所を残してあげないといけないそうです。


介助のコツは後述します。

次は、入力される脳のコンピュータルームが消えてしまった場合です。

脳が身体の動かし方を忘れてしまったら

では実際、脳が身体の動かし方を忘れてしまった状態とはどのような様子かというと。


たまに、耳をぴょこぴょこ動かせる人っていません?

わたしはできるんですけど(笑)あれってできない人が多いらしいです。

あれができない人に教えてあげるようなものなんだそうです。

人間の機能的に、できないことはないんですが感覚は口頭では伝えにくいですよね。

耳ぴょこぴょこできない人をできるようにしてと言われたらむずかしくて困惑してしまいそうです。


耳の例はまだかわいいものですが脳が動かし方を忘れてしまった場合それを取り戻すのは不可能では

ないがより労力のかかる仕事だと理学療法士さんは言います。

(二度言いますが、不可能ではないんです。

だって練習すれば耳だって動かせるし口笛だって吹けるようになるんですから。

まだ月齢的に言語のボキャブラリーに乏しい3歳児の我が子に教えるのは難しいと感じますが

言葉でのアドバイスであったり練習方法はいくらでもあります)

身体が動かせなくても入力!やるべき2つのこと

入力という刺激は

その部位が動かせずともいくらでも介助者の手によってあたえてあげることができます。

ここでは2つご紹介します。

どちらも、要介助者が動けなくてもできることです。

積極的に行うとよいそうです。


たった3日でも、これを積極的に行うか行わないかで、回復が違うそう。

1.さわってあげる

「さわる」とひとくちに言っても受け取る感覚は細かいものです。


さわられた手があったかいとか冷たいとか

圧がかかっているかかかってないか

痛いか痛くないか。


その感覚を受け取るセンサーは皮膚にまばらに点在しています。

混在しているわけではありません。


たとえば皮膚の一部を超拡大して見てみるとセンサーが見えるそうです。

痛い、をつかさどっているセンサー。

熱い、をつかさどっているセンサー。


舌についている味蕾(みらい。あのつぶつぶ。)のようなものです。

それらを刺激するために体をさわるのですが、

そっと撫でてもあまり意味がない。

もむのもあまり意味がないそうです。

ほぐすのではなく刺激を与えたいので。


センサーすべて刺激するために、


さわり方にもコツ
があるそうです。

さわりかたのコツ

すこしぐっと圧をかけるような気持ちで。

腕なら肩から手にかけてズー、としごくように。

先生監修のもと実践していましたが、感覚的には

アロマとか使ってよくやるハンドマッサージ。あれに近いです。

実際、マッサージが目的ではないんですがあれくらいが力加減の参考になります。

事故などの脊髄損傷でも入力をきっかけに回復が早まることがあるそうです。

ではもうひとつの方法にいきます。

2・動画を見せてあげる

これについて、馬鹿にするかたもいらっしゃいますが、と前置きして先生は言いました。


どのような動画かというと、

先天性でないうちの息子のような場合持っている方多いのではと思うのですが

「当人の身体が不自由なく動かせていた時の動画」です。

わたしの場合はスマホにたくさん保存されています。公園であそんでいる息子とか。

あんなのでいいんです。

その時の自分を見ることによって感覚を思い出すんだそうです。

少なくともその部位の脳が、動画を観た時に活性化するということは実験結果としてすでにあるようです。


わたしたち健常者であっても、動画で見返すことによって、

写真とは違リアルさを思い出したり感情を思い出すものです。


これに効果があるのもうなずけます。正直いっしょに見返すのもツライですが(^-^;

やって何も害がないし家族が簡単にできることなのでどんどん実践していきます!!

さいごに。介助のコツ

そのほかの部位も動かない場合は入力をできるだけ毎日行ってあげることが重要ですが、

もしも他の部位が先に回復してきたり、

動く部位が別にあったりする場合は以下記事をご参考にしてください。

息子の場合、動かない左腕を右腕でつかむことによって

ひねったり下敷きになったりすることを防ぎますが、

本人が忘れることが多いので母のわたしはしばしば左腕を右手まで近づけてあげて

「掴んでね」と指示していました。


これをすることによって自分の腕が「モノ」という認識になるというのは先述しました。

口だけで指示するのも違うそうです。


一番よいのは、このままでは左腕をひねってしまうな。

と彼が認識して自発的に掴みに行くなどの運動をすることだと理学療法士さんは言います。

ではどうすべきかというと


彼が左腕を忘れて寝返りをうってしまいそうになったときに

ちょんちょんと左腕をさわって存在を知らせてあげること。

「あ、忘れてる」って気づかせて、

自ら腕を迎えに戻る動作をするようにうながしてあげる。


または、抱っこの時にさりげなく左腕をかばいやすい位置に右腕をもっていくような抱き方をする。など。


自分で気付いて(入力)→行動する(出力)


パターンを大切にすると回復にもよい影響を与えるのだそうです。

以上が本日のリハビリで学んだことのまとめです。

運動と並行して行ってあげたいと思います。

どうか本記事が、不自由とたたかう人の助けになりますように。